投資とは、理論だけではどうにもならず、予想通りにいかないことがたくさんです。
みきまるファンド(@mikimarufund)さんもこのようにツイートされていました。
よく株式投資の初心者向きの入門書で、「株式投資では長期的に見れば年に7%程度のリターンが得られます。なので、コツコツと投資を継続すれば○○年後には大きな資産を築くことが出来ます。」みたいな表現や資産増加グラフをみることがあります。
— みきまるファンド (@mikimarufund) May 30, 2020
ただ実際にこの鉄火場で戦っていて年間のリターンが理論値の近くに来ることなどほとんどありません。むしろ、荒れ狂う海で成す術もなく漂う小舟の様に、毎年の投資成績が上下にとんでもなく激しく変動するのが当たり前です。
— みきまるファンド (@mikimarufund) May 30, 2020
今回は、投資の中でも、不動産投資のお話です。
不動産投資をしていくうえで、「表面利回り」よりも、「実質利回り」を意識することが大事です。
「実質利回り」はコストや費用が反映されている次に、「実質利回り」について説明しましょう。
実質利回りを計算する
実質利回りは、「ネット利回り」と呼ぶこともあります。実質利回りは、必ず表面利回りの数字よりも低くなります。なぜなら、表面利回りは、物件の運営にかかるコストや固定資産税、購入時の諸費用を計算に入れないからです。不動産経営をしていれば、売上である家賃収入が入ってくる一方で、物件価格のほか、運営費(ランニングコスト)や不動産を購入するときの諸費用がかかってきます。
【運営費の例】
・管理費
・固定資産税
・都市計画税
・エレベーター管理費
・共用部電気代
・共用部清掃代
・修繕費
・火災保険料
【購入時の諸費用の例】
・仲介手数料
・印紙代(売買契約書に貼付するもの)
・登録免許税
・司法書士への報酬
・不動産取得税家賃収入からランニングコストである運営費を差し引いた額
が実質的な家賃収入、物件価格に購入時の諸費用を加味したものが、実質的な物件価格となります。
このように運営費や諸費用を織り込んで計算して、どれくらいの利益が出るかを算出したものが実質利回りなのです。だから、表面利回りよりも現実を反映した数字ということができます。大型物件は実質利回りが低くなる実質利回りは、次の式で計算します。
・実質利回り(%)=(家賃収入-運営費)÷(物件価格+購入時の諸費用)×100
大型物件と小さなアパートを比較すると、大型物件のほうが、エレベーターの管理費やセキュリティー代、共用部の電気代、清掃代が過大になるため、表面利回りと実質利回りの差が大きくなる傾向があります。
また、バブル時代に建てられた物件は、豪華なエントランスなどがついていて固定資産税評価額が異常に高いものもあって、表面利回りと実質利回りが相当乖離しているケースがあるので要注意です。おおざっぱに言うと、エレベーターのないアパートなどでは、表面利回りと実質利回りの差は約1・0~1・5%ほど、エレベーターの付いた大型マンションだと、2・0~2・5%ほどです。物件の価値を評価するには、実質利回りを見ることがポイントになります。物件を広く探している段階では、表面利回りを押さえておけば十分ですが、本格的に購入を検討する段階では、実質利回りまで確認する必要があります。
もし実質利回りが低いようであれば、価格交渉をして安く購入するなどしないと、思うように利益が出なくなってしまいます。